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種子法廃止違憲訴訟控訴審は、2025年2月20日に判決言渡しとなります。このたび、種子法廃止違憲確認等訴訟原告団・弁護団は、東京高等裁判所に公正な判決を要請する要請書を提出します。

なお、提出にあたり、原告・会員、支援者の皆さまからの声を募集しております。ご賛同いただける方は、下記のフォームよりご送信ください。

東京高裁に届けよう!種子法廃止は違憲!わたしたちの食料への権利を認めてください(送信フォーム)

食料への権利の権利性を認め、種子法廃止を違憲とする判決を求める要請

東京高等裁判所 第24民事部御中
(令和5年(行コ)第132号 種子法廃止違憲確認等請求控訴事件)

種子法廃止違憲確認等訴訟原告団・弁護団

 控訴審の判決(本年2月20日)にあたり、公正判決を要請します。

1 本裁判で訴えているもの

 本裁判は、主要農作物種子法(種子法)廃止法の国会での成立に基づき、種子法が廃止されたことが、控訴人らの「食料への権利」を侵害するものであり、ゆえに同廃止法が憲法違反であり無効、と訴えるものです。

2 「食料への権利」について

 「食料への権利」は、誰でも、いつでもどこでも、良質で十分な量の安全な食料を得る権利です。この権利は、世界人権宣言25条及び社会権規約11条1項に包摂されている人権であって、国際人権法上確立している重要な権利です。

 また、わが国には食と農に関する法政策の基本法である食料・農業・農村基本法が存し、この「食料への権利」を具体化する内容であるところ、同基本法2条の「食料の安定供給の確保」のため、食料の源である主要農作物の種子の確保は国の責務として要請されており、かつ、同4条の「農業の持続的な発展」のいうところの「農業資源」である種子の確保が要請されています。

 これらの点などからすれば、種子法は、わが国ではこの食料・農業・農村基本法に基づき、「食料への権利」を具体化した規定となります。

 したがって、種子法を廃止することは、控訴人らの「食料への権利」を侵害することにほかならず、同廃止法は憲法違反であって無効です。

3 種子法廃止法の立法事実が存しないこと

 また、種子法廃止法の立法事実が存在しないことは本控訴審の審議で明らかとなりました。

 被控訴人の主張する同廃止法の立法事実は、①食糧増産という目的は達成され、過去のものとなったこと、②種子生産の技術水準の向上等により種子の品質が安定したこと、③都道府県の種子が需要の多様化に対応できないこと、との3点となります。

 しかし、①については、昨年時のわが国の米不足の実態からみても、わが国が食料増産を達成しているとは到底いえません。②については、昨今の民間事業者の米品種の代表例の「みつひかり」の不正問題から誤りであったことが明らかとなります。そして、③について、昨年時の米不足は消費者向け米の不足が深刻化していたものであり、被控訴人の述べる中食・外食の米の需要の高まりによるものではありません。

4 公正判決をもとめます

 原判決は、採種農家である控訴人について、種子法廃止法の施行以降、種子法に基づく公法上の地位(=種子法に基づき自らの土地がほ場指定される地位)を喪失しているから、現実かつ具体的な危険または不安が認められるというべきとし、その地位の「確認の利益」(=原告の確認の訴えを審議する必要があること)を認めています(判決28頁)。

 もっとも、原判決は同人の食料への権利を認めていません。ぜひとも、控訴審である貴裁判所が、同人及び他の控訴人(控訴人舘野・控訴人野々山ら)の権利を認め、この権利侵害の事実、及び種子法廃止法の違憲性を認めてください。

 食料は私たちが生きていくために必要不可欠なものであり、その根源となる「種子」は絶対的に守られるものです。被控訴人の不当な法施策により、私たちの食料への権利が侵害されることはあってはなりません。

 貴裁判所が法の精神に則って公正なる判断を下されるよう要請します。

                             

以上